CASES|事例紹介
顧客にとっての価値を再定義し、サービスの価値を言語化。
課題と背景
BACKGROUND
希少な経験者と、まだこの仕事を知らない潜在層
株式会社エル・コーエイは、建設コンサルタント業界を中心に、公共インフラや社会貢献性の高いプロジェクトに特化した人材派遣・紹介サービスを提供する会社です。
経験者だけでは、必要な人材に届かない
同社がメインターゲットとする建設コンサルタント経験者は、人材市場でも非常に希少な存在。そのため、経験者だけでなく、未経験でも適性やポテンシャルを持つ人材までターゲットを広げる必要がありました。
しかし、そこには大きなジレンマがありました。
建設コンサルタント経験者は、そもそも市場に出てくる人数が少ない。一方、潜在的なターゲットは母数こそ多いものの、「建設コンサルタント」という仕事や業界そのものを知りません。
知らなければ、当然その言葉で検索することもありません。
つまり、潜在的にはエル・コーエイが紹介する仕事と高い親和性を持っていても、従来の検索行動の中では、そもそも出会うきっかけが生まれにくい状況にありました。
Webサイトの前に、「誰に、何を届けるか」を考える
そこで必要だったのは、単にWebサイトをリニューアルすることではありませんでした。
「誰に、どんな価値を届ける会社なのか」。
その根本から改めて整理し、エル・コーエイが持つ価値を再定義するところからプロジェクトをスタートしました。
取り組み
APPROACH
職種ではなく、「仕事に求める価値」から接点をつくる
プロジェクトでは、まずクライアントとのワークショップを実施しました。
自社の本当の強みは何か。
ターゲットは誰なのか。
その人たちが仕事に求めているものは何か。
そして、エル・コーエイだから提供できる価値とは何か。
こうした問いを一つひとつ掘り下げながら、Webサイトで提供すべき体験を整理していきました。
「建設コンサルタントになりたい人」から発想しない
そこで着目したのが、「建設コンサルタントになりたい人」ではなく、「今よりも社会の役に立つ仕事がしたい」「もっとやりがいを感じられる仕事に携わりたい」と考えている人たちです。
エル・コーエイが紹介する仕事には、道路や橋梁、河川、防災、環境、エネルギーなど、私たちの暮らしを支える公共インフラに関わるプロジェクトが数多くあります。
建設コンサルタントという職種を知らなくても、「社会の役に立つ仕事がしたい」という思いを持つ人なら、その仕事の価値には共感してもらえるかもしれない。
企業が持つ強みと、潜在層が仕事に求める価値。その重なる場所を、エル・コーエイが提供すべき新たな価値として定義しました。
「それは社会の役に立つ、やりがいのある仕事。」
そこから生まれたのが、「それは社会の役に立つ、やりがいのある仕事。」というコンセプトです。
あえて専門的な言葉を使わず、ターゲットが仕事に求めている価値を、瞬間的に理解できる言葉にしました。
コンセプトを、Webサイトの体験へ
そして、このコンセプトをコピーだけで終わらせず、Webサイト全体の体験へと落とし込んでいきました。
ファーストビューには「お仕事をさがす」という明快な導線を設置。仕事の紹介でも、職種や条件だけではなく、「災害に負けない街をつくる」「地域を支えるインフラに挑む」「未来の水を守る」といった、その仕事が社会にどのような価値をもたらすのかが伝わる構成としました。
また、仕事そのものだけでなく、福利厚生や働き方、キャリア相談、スタッフの存在なども丁寧に伝えることで、「どんな仕事ができるか」と「どんな環境で働けるか」の両面から、エル・コーエイで働くことをイメージできるWebサイトを目指しました。
その後
AFTER
問い合わせは6倍以上に増加、企業本来の価値が伝わるWebサイトへ
リニューアル後、Webサイト経由の直接問い合わせは大きく増加しました。
潜在層だけでなく、経験者からの問い合わせも増加
仕事内容を機能的に紹介するだけだった従来のサイトから、どのような仕事に携われるのか、どのようなサポートを受けられるのか、そしてどのような人たちが支えてくれるのかまで伝えるサイトへ。
そうした変化によって、仕事への理解や安心感が生まれ、問い合わせへの心理的なハードルを下げることにもつながったと考えています。
さらに想定以上だったのが、獲得が難しいと考えていたメインターゲットである、建設コンサルタント経験者からの問い合わせも増えたことです。
「建設コンサルタントの人材派遣ならエル・コーエイ」という専門性を軸としたブランドイメージはそのままに、職種の先にある「社会の役に立つ、やりがいのある仕事」という価値まで伝えたことが、経験者・潜在層双方への訴求につながりました。
会社の「格」と、Webサイトの印象を揃える
今回のリニューアルで、もう一つ重視したことがあります。
それは、エル・コーエイという会社が持つ実績や信頼性と、Webサイトから受ける印象を一致させることです。
エル・コーエイは、公共インフラをはじめ社会貢献性の高いプロジェクトを数多く扱い、働く人への福利厚生やキャリア支援も提供しています。
それだけの価値を持つ会社でありながら、Webサイトがその魅力を十分に表現できていなければ、本来出会えるはずだった人との機会を失ってしまいます。
Webサイトを新しくするのではなく、企業の価値を正しく伝える
Webサイトを単に新しくするのではなく、企業が本来持っている価値を見つけ、言葉にし、それにふさわしいデザインと体験へ落とし込む。
今回のリニューアルは、エル・コーエイという企業の価値を、Webサイトを通じて正しく伝わる状態へ整えるプロジェクトでもありました。



