「ホームページにはそこそこアクセスがあるのに、お問い合わせがほとんど来ない」——このようなお悩みを抱える中小企業の経営者は少なくありません。この問題の原因は、サイトの「コンバージョン率(CVR)」にあるかもしれません。コンバージョン率とは、サイトを訪れた人のうち、実際にお問い合わせや資料請求などのアクションを起こしてくれた人の割合のことです。この記事では、コンバージョン率の基本から、具体的な改善施策まで、WEBの専門知識がない方にもわかりやすく解説します。
コンバージョン(CV)とコンバージョン率(CVR)とは
コンバージョンとは「WEBサイトのゴール」
用語メモ
コンバージョン(CV:Conversion)とは、WEBサイトにおける「成果」のことです。何を成果とするかは企業によって異なり、お問い合わせ、資料請求、見積もり依頼、商品購入、電話発信、来店予約などが代表的です。
WEBサイトは単なる「看板」ではなく、ビジネスの成果につなげるためのツールです。御社のホームページにおける「ゴール(=コンバージョン)」は何でしょうか。たとえば、工務店であれば「施工事例を見た後に見学予約をしてもらうこと」、税理士事務所であれば「無料相談の申し込みをしてもらうこと」がコンバージョンにあたります。
コンバージョン率(CVR)の計算方法
用語メモ
コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)は「サイト訪問者のうちコンバージョンに至った人の割合」です。計算式は「CVR=コンバージョン数÷訪問者数×100」です。
たとえば、月に1,000人がサイトを訪れて、そのうち10人がお問い合わせをしてくれた場合、CVRは1%です。この数字が高いほど、「サイトに来た人をしっかり成果につなげられている」ということになります。
逆にCVRが低い場合は、アクセスを増やしても成果にはつながりにくい状態です。穴の空いたバケツに水を注ぐようなもので、まずはバケツの穴(CVRの低さ)をふさぐことが先決です。
業界別CVRの目安
CVRの目安は業界やサイトの目的によって大きく異なりますが、一般的なBtoBサイト(企業向けサービスのサイト)では1%〜3%程度が平均と言われています。BtoC(一般消費者向け)のECサイトでは2%〜4%程度が目安です。
ただし、この数字はあくまで参考値です。お問い合わせフォームのハードル(記入項目の多さなど)やサービスの価格帯によっても大きく変わります。まずは自社の現在のCVRを把握し、そこからどれだけ改善できるかを考えることが大切です。
CVRを1%改善するだけで、アクセス数を増やさなくても成果が大きく変わります。まずは現状の数値を確認しましょう。
CTA(行動喚起)の改善
CTAとは何か
用語メモ
CTA(Call to Action:コール・トゥ・アクション)とは、サイト訪問者に「次の行動」を促すための要素のことです。「お問い合わせはこちら」「無料見積もりを依頼する」「資料をダウンロード」などのボタンやリンクがCTAにあたります。
CTAはWEBサイトのCVRに最も直接的に影響する要素です。CTAが目立たない、わかりにくい、魅力がないと、訪問者は行動を起こしてくれません。
CTAを改善する具体的なポイント
CTAの改善で意識すべきポイントは以下の通りです。
- ボタンの色を目立たせる:ページの配色の中でアクセントカラーを使い、視覚的に目に入るようにします
- 文言を具体的にする:「送信」ではなく「無料相談を予約する」「見積もりを依頼する」など、クリックすると何が起こるかが明確な文言にしましょう
- ボタンのサイズを十分に大きくする:特にスマートフォンでは、指で押しやすいサイズにします
- 複数箇所に設置する:ページの最後だけでなく、途中にもCTAを配置します。すべてのユーザーが最後まで読むわけではありません
- ハードルを下げる:「まずは気軽に」「無料で」「1分で完了」といった心理的ハードルを下げる言葉を添えます
たとえば「お問い合わせ」というボタンと「まずは無料で相談してみる」というボタン、どちらがクリックしやすいでしょうか。後者の方がハードルが低く感じるのではないでしょうか。こうした小さな違いがCVRに大きく影響します。
お問い合わせフォームの最適化(EFO)
フォームの離脱率が高い原因
用語メモ
EFO(Entry Form Optimization:エントリーフォーム最適化)とは、お問い合わせフォームの使いやすさを改善し、途中離脱を減らす施策のことです。
お問い合わせフォームまで到達したのに、入力を完了せずにページを離れてしまう人は、一般的に60%〜80%程度と言われています。非常にもったいない話です。フォームで離脱が起きる主な原因は以下の通りです。
- 入力項目が多すぎる
- 必須項目が多い
- どこに何を入力すればよいかわかりにくい
- エラー表示がわかりにくい
- 個人情報を入力することへの不安
フォーム改善の具体策
フォームの離脱率を下げるための具体的な改善策を紹介します。
- 入力項目を最小限に:本当に必要な項目だけに絞りましょう。氏名・メールアドレス・お問い合わせ内容の3つだけでも十分に機能するケースは多いです
- 必須と任意を明確に:必須項目には「必須」マークをつけ、任意の項目はその旨を明記します
- 入力例を表示する:各項目に入力例を薄いグレーで表示(プレースホルダー)すると、迷いが減ります
- リアルタイムでエラーを表示:送信ボタンを押した後ではなく、入力中にエラーを知らせると親切です
- プライバシーポリシーへのリンクを設置:「ご入力いただいた情報は○○の目的にのみ使用します」と明記し、安心感を与えます
フォームの入力項目を1つ減らすだけで、CVRが数%向上するケースもあります。項目は「本当に今必要か」を吟味しましょう。
ファーストビューの改善
ファーストビューとは
用語メモ
ファーストビューとは、WEBサイトを開いた時にスクロールせずに最初に表示される画面領域のことです。ユーザーがサイトに留まるかどうかは、このファーストビューで決まると言われています。
一般的に、ユーザーがWEBサイトに留まるかどうかを判断する時間は3秒以内と言われています。ファーストビューで「自分に関係がある」「求めている情報がありそう」と感じてもらえなければ、すぐに離脱されてしまいます。
ファーストビュー改善のポイント
ファーストビューで押さえるべきポイントは以下の通りです。
- キャッチコピーで「誰のために」「何ができるか」を明確に:「群馬県内の中小企業様向けホームページ制作」のように、ターゲットと提供価値が一目でわかる言葉を置きます
- 画像やビジュアルの質:メインビジュアル(大きな画像やイラスト)はサイトの第一印象を決定します。低画質のフリー素材よりも、自社の写真やプロが撮影した画像の方が信頼感があります
- CTAボタンを配置する:ファーストビューにCTAボタンを置くことで、すでに目的が明確なユーザーがすぐにアクションを起こせます
- ページの読み込み速度:画像が重くてページの表示に時間がかかると、ファーストビューを見る前に離脱されてしまいます
信頼性を高める要素の追加
なぜ信頼性がCVRに影響するのか
特にBtoBのサービスでは、「この会社は信頼できるか」がお問い合わせの意思決定に大きく影響します。初めて訪れたWEBサイトでいきなりお問い合わせをするのは、相手を知らないままお店に入るようなもので、心理的なハードルがあります。サイト上で信頼性を示す要素を充実させることで、そのハードルを下げることができます。
信頼性を高める具体的な要素
- お客様の声・事例紹介:実際のお客様の声や導入事例は、最も説得力のあるコンテンツです。可能であれば社名や担当者名を入れると信頼度がさらに上がります
- 実績の数値化:「創業○年」「施工実績○件」「顧客満足度○%」など、具体的な数値は信頼の裏付けになります
- 代表者・スタッフの顔写真:「どんな人がやっているのか」が見えると、安心感につながります。特に中小企業では、代表者の想いや人柄も差別化の要素です
- 資格・認定・受賞歴:業界の資格や認定、受賞歴があれば掲載しましょう
- 会社概要の充実:所在地、設立年、資本金、取引先など、基本情報の充実は信頼の土台です
「お客様の声」は最も効果的な信頼性コンテンツです。まだ掲載していない場合は、ぜひお客様に掲載のご許可をいただきましょう。
CVR改善のPDCAサイクル
改善は一度で終わりではない
CVR改善の施策は、一度実施して終わりではありません。施策を行い、結果を測定し、さらに改善する——このPDCA(Plan→Do→Check→Act)サイクルを回すことで、継続的に成果を上げていくことができます。
具体的な進め方は以下の通りです。
- Plan(計画):現状のCVRを把握し、改善ポイントを特定する
- Do(実行):CTAの変更、フォームの改善など施策を実施する
- Check(確認):1〜2か月後にCVRの変化を確認する
- Act(改善):結果をもとに次の施策を考える
Googleアナリティクスを活用する
CVRの計測にはGoogleアナリティクス(GA4)を使います。GA4でコンバージョンイベントを設定しておけば、CVRの推移を定期的に確認できます。設定が難しい場合は、WEB制作会社に依頼すれば対応してもらえます。
数値をもとに「どのページからお問い合わせが多いか」「どのページで離脱が起きているか」を分析すれば、優先的に改善すべきポイントが見えてきます。
まとめ
WEBサイトのコンバージョン率改善について、要点を振り返ります。
- コンバージョン(CV)はWEBサイトの「成果」、コンバージョン率(CVR)はその割合
- アクセスがあるのに成果が出ない場合は、CVRの改善が最優先
- CTAの文言・デザイン・配置を見直し、訪問者の行動を促す
- お問い合わせフォームの入力項目は最小限に絞り、離脱を防ぐ
- ファーストビューで「誰のために」「何ができるか」を一瞬で伝える
- お客様の声や実績など、信頼性を高める要素を充実させる
- 改善はPDCAサイクルで継続的に行い、数値で効果を検証する
CVR改善は、新たな集客施策に比べてコストを抑えながら成果を伸ばせる施策です。今あるアクセスを最大限に活かすためにも、まずは自社サイトのCVRを確認するところから始めてみてください。CVR改善のご相談や、サイトの診断も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。