事業はうまくいっている。
でも、「自分たちは何者なのか」が言えない。
そんな状態に陥っていた企業が、ミッションの設定によってすべての活動に意味を持たせ、進むべき方向を明確にしたブランディング事例です。
事業は順調。でも、どこかチグハグだった
Satisfactoryは、愛媛県明浜産のブランドみかん「明浜みかん」を主原料に、オリジナルのみかんエキスを活用した化粧品の企画・製造・卸・販売を行う企業です。
さらに、みかん農家との独自のネットワークを活かし、2020年には「明浜みかん専門店 スリーサンズ」をオープンしました。
一見すると順調に事業が広がっているように見えますが、オーナーの中にはある違和感がありました。
「自分たちは何屋なのか?」
化粧品メーカーなのか、みかん屋なのか。
事業は増えているのに、企業としての輪郭がぼやけていく感覚があったのです。

問題は「事業」ではなく「意味」だった
この違和感の原因は、事業そのものではありませんでした。
足りていなかったのは、それらをつなぐ“意味”です。
化粧品も、みかん販売も、本来は別のものです。
しかし、それらを「業態」として捉えるからバラバラに見える。
視点を変えて、「企業が何を実現したいのか」というブランディング思考で捉え直すと、すべては一つの方向に向かっている活動になります。
つまり必要だったのは、「何をやっているか」ではなく、
「なぜやっているのか」を定義することでした。
ブランディング思考で捉え直す
一見すると、化粧品メーカーとみかん専門店という組み合わせは、チグハグに見えるかもしれません。実際オーナー自身がそう感じていました。
しかしこれを「業態」ではなく「ブランディング活動」として捉え直すと、違和感はなくなります。むしろ、企業としての価値を高める要素として機能します。それはどういうことか?
ミッションという“軸”をつくる
そこで私たちは、Satisfactoryのこれまでの取り組みや想いを丁寧に紐解きながら、企業のミッションを言語化しました。
それを象徴する言葉として開発したのが、次のタグラインです。
「みかんでくらしに満足を。」

この言葉を初めてお見せしたとき、オーナーはしばらく言葉を発しませんでした。
そして、「バラバラだったものが一気につながった。目の前のモヤが晴れた」と話してくださいました。
化粧品も、みかん販売も、すべてはこのミッションを実現するための手段だった。
そう捉え直した瞬間、事業の意味が一本の軸でつながったのです。
ミッションが、企業の意思決定を変える
ミッションが定まると、「何をやるか」だけでなく「何をやらないか」も明確になります。
事業は増やすものではなく、選ぶものになる。
判断基準は常に「みかんでくらしに満足を。」に立ち返る。
この変化によって、企業としての一貫性が生まれ、ブランドとしての強度が高まっていきます。
事業は、ミッションを実現するための手段である
Satisfactoryは、もはや「化粧品メーカー」でも「みかん屋」でもありません。
「みかんでくらしに満足を。」を実現する企業です。
この視点を持つことで、今後どんな事業を展開しても、その意味がぶれることはありません。
ミッションは、企業の軸であり、未来を決めるコンパスなのです。