ホームページを開いたとき、画像がなかなか表示されずにイライラした経験はありませんか?WEBサイトの表示速度は、訪問者の満足度やお問い合わせ率に直結する重要な要素です。そして、表示速度を遅くしている最大の原因の一つが画像です。
一般的に、WEBページのデータ量のうち画像が占める割合は50%以上とも言われています。つまり、画像を適切に扱うだけで、サイトの表示速度を大幅に改善できる可能性があるのです。本記事では、画像の最適化とは何か、どのような方法があるのかを、専門知識がなくてもわかるようにご説明します。
画像がサイトの表示速度に与える影響
なぜ画像がサイトを「重く」するのか
WEBサイトを表示するとき、ブラウザ(ChromeやSafariなどの閲覧ソフト)は、サーバーからページの文字情報、デザインの指示、画像データなどをダウンロードします。この中で最もデータ量が大きいのが画像です。
たとえば、スマートフォンで撮影した写真は1枚あたり3〜5MB(メガバイト)程度のデータ量があります。これをそのままホームページに掲載すると、1ページに写真が10枚あるだけで30〜50MBものデータをダウンロードすることになります。
本棚にたとえるなら、薄い文庫本(テキストデータ)の間に、分厚い図鑑(画像データ)が何冊も挟まっているような状態です。図鑑を取り出すのに時間がかかる分、全体の読み込みが遅くなるのです。
用語メモ
MB(メガバイト):データ量の単位です。1MB=約100万バイト。WEBページ全体のデータ量は一般的に2〜5MB程度が理想とされています。スマートフォンの写真は1枚で3〜5MB程度あるため、最適化せずに掲載するとサイトが非常に重くなります。
表示速度がビジネスに与える影響
Googleの調査によると、モバイルサイトの読み込みに3秒以上かかると、訪問者の53%がページを離脱するとされています。つまり、画像が重いせいでサイトの表示が遅いと、半数以上のお客様を逃してしまう可能性があるのです。
また、Googleはサイトの表示速度を検索順位の評価要素の一つにしています。表示速度が遅いサイトは検索結果で不利になり、そもそもお客様に見つけてもらえなくなるリスクもあります。
画像最適化とは何をすることなのか
画像の最適化とは、見た目の品質をできるだけ保ちながら、画像のデータ量を小さくすることです。具体的には、画像のファイル形式(フォーマット)の選択、圧縮、サイズの調整、読み込み方法の工夫などが含まれます。
「データ量を小さくすると画質が落ちるのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、適切に最適化すれば、人間の目ではほとんど違いがわからない範囲でデータ量を大幅に削減できます。
画像の最適化は「画質を犠牲にすること」ではなく「無駄なデータを削ぎ落とすこと」です。適切に処理すれば、見た目はそのままで表示速度だけが改善されます。
画像フォーマットの基本|JPEG・PNG・WebP・AVIF
JPEG(ジェイペグ):写真に最適な定番フォーマット
JPEGは、WEBサイトで最も広く使われている画像フォーマットです。写真のような色数の多い画像に適しており、圧縮率を高めてもそれなりの品質を保てるのが特徴です。
施工事例の写真、スタッフの写真、風景写真などには、JPEGが適しています。ただし、圧縮率を上げすぎると画像にノイズ(ざらつき)が出るため、品質とファイルサイズのバランスを調整する必要があります。一般的に、品質80%程度で圧縮すると、見た目の劣化がほとんどなく、データ量を大幅に削減できます。
JPEGの弱点は、透明な背景を扱えないことです。ロゴマークの周りを透明にしたい場合などには使えません。
PNG(ピング):透過が必要なロゴや図に
PNGは、透明な背景を扱える画像フォーマットです。会社のロゴマーク、アイコン、図解など、背景を透明にしたい画像に適しています。
JPEGと違い、圧縮しても画質が劣化しない「可逆圧縮」という方式を使っているため、文字や線の境界がくっきりと保たれます。ただし、その分ファイルサイズはJPEGより大きくなりがちです。
写真をPNG形式で保存してしまうと、JPEGの何倍もの容量になることがあるため、写真はJPEG、ロゴや図はPNGという使い分けが基本です。
WebP(ウェッピー):次世代の標準フォーマット
WebPは、Googleが開発した比較的新しい画像フォーマットです。JPEGと同等の画質を保ちながら、ファイルサイズを25〜35%程度小さくできるのが最大の利点です。さらに、PNGのように透過にも対応しています。
現在、Chrome、Safari、Firefox、Edgeなど主要なブラウザはすべてWebPに対応しており、新しくサイトを制作する場合やリニューアルの際には、WebPの採用を検討する価値があります。
AVIF(エーブイアイエフ):さらなる高圧縮の最新フォーマット
AVIFは、WebPよりもさらに圧縮効率が高い最新の画像フォーマットです。同じ画質であれば、JPEGと比較して50%以上ファイルサイズを削減できるケースもあります。
ただし、対応するブラウザがWebPほど普及しておらず、画像の生成にも時間がかかるため、現時点ではまだ導入のハードルがやや高い状況です。将来的には主流になる可能性がありますので、制作会社から提案があれば前向きに検討してみましょう。
用語メモ
画像フォーマット(ファイル形式):画像データの保存方法の種類。ファイル名の末尾の「.jpg」「.png」「.webp」がフォーマットを示しています。フォーマットによって圧縮方法や対応する機能が異なります。
画像を圧縮する方法
オンラインツールを使った圧縮
画像の圧縮は、無料のオンラインツールで簡単に行えます。代表的なものをご紹介します。
TinyPNG(タイニーピング):JPEGとPNGの圧縮に対応した定番ツールです。画像をアップロードするだけで自動的に最適な圧縮が行われます。無料で使えます。
Squoosh(スクーシュ):Googleが提供する画像圧縮ツールです。圧縮前後の画質を並べて比較できるため、品質を確認しながら圧縮率を調整できます。WebPやAVIFへの変換も可能です。
これらのツールは、自社でブログを更新する際に画像を掲載する前の処理として活用できます。「画像をアップロードする前に、必ず圧縮する」というルールを社内で共有するだけでも、サイトの表示速度は改善されます。
WordPressプラグインによる自動圧縮
御社のサイトがWordPressで構築されている場合、プラグインを使って画像を自動圧縮する方法が便利です。
EWWW Image Optimizer:画像をアップロードすると自動的に圧縮してくれるプラグインです。過去にアップロードした画像も一括で圧縮できます。無料版でも基本的な圧縮機能が使えます。
ShortPixel:高品質な圧縮が特徴のプラグインです。WebPへの自動変換機能も備えています。無料枠は月100枚までですが、中小企業のサイトであれば十分な場合が多いです。
プラグインの導入は制作会社に依頼するのが安全ですが、一度設定してもらえば、その後は自動的に画像が最適化されるため、手間がかかりません。
圧縮時の品質設定の目安
画像を圧縮する際、品質(クオリティ)の設定値を指定できる場合があります。一般的な目安は以下のとおりです。
JPEG画像の場合、品質75〜85%程度で圧縮すると、見た目の劣化がほとんどなく、ファイルサイズを50〜70%程度削減できます。高品質の写真ギャラリーであれば85%、通常のページの挿絵であれば75%程度で十分です。
画像サイズ(解像度)の適正化
必要以上に大きな画像を使わない
画像の「サイズ」とは、横○ピクセル×縦○ピクセルという画像の寸法(解像度)のことです。デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真は、一般的に3000〜4000ピクセル以上の幅があります。
しかし、WEBサイトで表示される画像の幅は、パソコン画面でも通常1200〜1600ピクセル程度、スマートフォンでは400〜800ピクセル程度です。4000ピクセルの画像をそのまま掲載すると、必要以上に大きなデータを読み込むことになり、表示速度の無駄遣いです。
写真を掲載する前に、表示される大きさに合わせてリサイズ(縮小)することが大切です。一般的に、WEBサイトの写真は横幅1200〜1600ピクセルあれば十分です。
レスポンシブ画像の活用
レスポンシブ画像とは、閲覧する端末の画面サイズに合わせて、適切なサイズの画像を自動的に読み込む仕組みです。パソコンでは大きな画像、スマートフォンでは小さな画像を表示することで、無駄なデータの読み込みを防ぎます。
WEBの技術的な仕組みとして「srcset」という属性を使って実現されますが、この設定は制作会社に任せるのが確実です。サイトの制作やリニューアルの際に、「スマートフォンでは画像のサイズが最適化されるようにしてほしい」とお伝えすれば、対応してもらえるでしょう。
サムネイル画像の活用
ブログの記事一覧やサービス一覧のページでは、小さなサムネイル(一覧用の小さな画像)が並びます。ここにフルサイズの画像を使ってしまうと、表示される大きさは小さいのにデータ量は大きいという非効率な状態になります。
WordPressでは、画像をアップロードすると自動的にサムネイル用の小さな画像が生成されます。一覧ページではこのサムネイル画像を使い、詳細ページでは大きな画像を表示する設定にすることで、ページの読み込み速度を改善できます。
遅延読み込み(Lazy Loading)で体感速度を向上させる
遅延読み込みとは
遅延読み込み(Lazy Loading:レイジーローディング)とは、ページを開いた瞬間にすべての画像を読み込むのではなく、画面に表示される直前の画像だけを読み込む技術です。
たとえば、ページの下の方にある画像は、訪問者がスクロールしてその付近に到達するまで読み込みを待ちます。これにより、最初にページを開いたときの表示速度が大幅に速くなります。
本屋さんで本を買うとき、レジに持っていく本だけを手に取り、残りの本は棚に置いておくのと同じ発想です。必要になったタイミングで取りに行けばいいのです。
ブラウザの標準機能で実現できる
現在の主要なブラウザ(Chrome、Safari、Firefox、Edgeなど)は、遅延読み込みを標準でサポートしています。WEBサイトの画像タグに「loading=”lazy”」という属性を追加するだけで、遅延読み込みが有効になります。
この設定は非常にシンプルですが、効果は絶大です。画像が多いページ(施工事例一覧やブログ記事など)では、初回表示の速度が体感で大きく改善されます。
制作会社に「遅延読み込みは対応していますか?」と確認してみてください。対応していない場合は、比較的簡単な修正で導入できるはずです。
注意すべきポイント
遅延読み込みは便利な技術ですが、すべての画像に適用すればよいわけではありません。ページのファーストビュー(最初に表示される領域)にある画像には遅延読み込みを適用しない方が良いとされています。
なぜなら、最初に見える画像が遅延読み込みの対象になると、一瞬「画像なし」の状態が表示されてしまい、かえって体験が悪くなるからです。ファーストビューの画像はすぐに読み込み、それ以降の画像に遅延読み込みを適用するのが理想的な設定です。
画像の最適化は一つの手法だけでなく、「フォーマットの選択」「圧縮」「サイズの適正化」「遅延読み込み」を組み合わせることで、最大の効果が得られます。
まとめ|画像の最適化でサイトの「速さ」と「美しさ」を両立
画像の最適化は、WEBサイトの表示速度を改善するための最も効果的な方法の一つです。適切に処理すれば、見た目の品質を保ちながら、ページの読み込みを大幅に速くすることができます。
- WEBページのデータ量の半分以上を画像が占めており、表示速度に大きく影響する
- 写真にはJPEG、ロゴや図にはPNG、新規制作ではWebPの採用を検討する
- 画像は掲載前に圧縮し、品質75〜85%程度が見た目と容量のバランスがよい
- 横幅1200〜1600ピクセルを目安にリサイズし、必要以上に大きい画像を使わない
- 遅延読み込み(Lazy Loading)で、ページの初回表示速度を改善する
- WordPressの圧縮プラグインを活用すると、日々の更新作業が楽になる
表示速度の改善は、お客様の満足度向上、SEO対策、お問い合わせ率の改善と、多方面にプラスの効果をもたらします。御社のサイトの画像最適化について気になる点があれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。