「ホームページをリニューアルしたいのですが、何ヶ月くらいかかりますか?」――これは制作会社が最もよく受ける質問の一つです。答えは「サイトの規模や内容によります」となりますが、それだけでは計画を立てられません。
本記事では、WEBサイト制作の一般的なスケジュールを規模別にご紹介し、企画から公開までの各工程で何が行われるのか、そしてスケジュールが延びてしまう原因と対策をお伝えします。制作の全体像を把握していただくことで、余裕を持った計画づくりにお役立てください。
WEB制作の全体スケジュール|規模別の目安
小規模サイト(5〜10ページ):1〜2ヶ月
会社概要、サービス紹介、お問い合わせページなど、5〜10ページ程度の小規模なコーポレートサイトの場合、制作期間はおおむね1〜2ヶ月が目安です。
テンプレートをベースにしたデザインであれば1ヶ月程度、オリジナルデザインで制作する場合は1.5〜2ヶ月程度を見込みましょう。ただし、この期間はスムーズに進んだ場合の目安であり、素材の準備や確認に時間がかかると延びることがあります。
中規模サイト(10〜30ページ):2〜4ヶ月
サービス紹介が複数あったり、ブログ機能、採用ページ、施工事例ページなどを含む10〜30ページ程度のサイトは、2〜4ヶ月が目安です。
中規模サイトでは、コンテンツの量が多くなるため、原稿の作成や写真の準備にも相応の時間が必要です。多くの中小企業のコーポレートサイトがこの規模に該当します。
大規模サイト(30ページ以上):4〜6ヶ月以上
ECサイト(ネットショップ)、大量の製品情報を掲載するカタログサイト、会員機能を持つサイトなど、30ページ以上の大規模なサイトは、4〜6ヶ月以上の制作期間を見込む必要があります。
独自のシステム開発を伴う場合はさらに期間が長くなります。大規模サイトの制作では、入念な企画・設計段階を経ることが成功の鍵であり、ここを急ぐと後の工程で手戻りが発生し、結果的にさらに時間がかかってしまいます。
上記はあくまで一般的な目安です。原稿や写真の準備状況、制作会社の繁忙期、社内の確認スピードなどによって変動します。余裕を持って計画することが大切です。
制作工程の流れと各ステップの所要時間
ステップ1:ヒアリング・企画(1〜3週間)
制作の最初のステップは、ヒアリングと企画です。制作会社が御社の事業内容、ターゲット、サイトの目的、競合の状況などを詳しくお伺いし、サイトの方向性を決定します。
この段階では、「どんなサイトにしたいか」「どんなお客様に見てほしいか」「サイトで実現したいこと(お問い合わせ増、採用強化など)」を明確にすることが重要です。
家を建てる前の「どんな家に住みたいか」を設計士と話し合う段階にあたります。ここでのコミュニケーションが不十分だと、後の工程で「思っていたのと違う」という事態になりかねません。
ステップ2:サイト設計・構成(1〜2週間)
ヒアリングの内容をもとに、サイトマップ(ページ構成図)やワイヤーフレーム(ページの骨格)を作成します。
サイトマップは、「どんなページを作るか」「ページ同士の関係はどうなっているか」を整理した図です。家で言えば「間取り図」にあたります。
ワイヤーフレームは、各ページのレイアウトの骨格を示したものです。色やデザインは入っておらず、「ここに見出しが来る」「ここに画像が入る」「ここにお問い合わせボタンを置く」といった配置を確認するためのものです。
用語メモ
ワイヤーフレーム:WEBページのレイアウトの設計図。色やデザインを省いた線画の状態で、情報の配置や優先順位を確認するために使われます。制作の初期段階で作成され、お客様の確認を経てデザイン工程に進みます。
ステップ3:デザイン制作(2〜4週間)
ワイヤーフレームが確定したら、いよいよデザイン制作に入ります。ブランドカラー、フォント、写真、レイアウトなどを組み合わせて、実際のWEBサイトの見た目を作り上げます。
通常、まずトップページのデザインを作成し、御社に確認いただきます。トップページのデザインが承認されたら、そのトーン&マナー(デザインの方向性)に合わせて下層ページのデザインを進めます。
この工程で最も時間がかかるのが「確認と修正」のやりとりです。デザイン案に対するフィードバックを早めに、具体的に伝えていただくと、この工程をスムーズに進められます。
ステップ4:コーディング・構築(2〜4週間)
デザインが確定したら、それを実際にWEBブラウザで表示できる形にする「コーディング」の工程に入ります。HTML、CSS、JavaScriptなどの言語を使って、デザインをWEBページとして組み上げます。
WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)を導入する場合は、管理画面から御社自身がお知らせやブログを更新できるようにする設定もこの段階で行います。
この工程は制作会社側の作業が中心ですが、途中でテスト環境(制作中のサイトを確認できるURLのこと)を共有してもらい、実際の動きを確認することが大切です。
ステップ5:テスト・修正・公開(1〜2週間)
構築が完了したら、さまざまな環境(パソコン、スマートフォン、タブレット、複数のブラウザ)での表示テストを行い、不具合がないか確認します。お問い合わせフォームの動作確認も重要なチェック項目です。
テストで見つかった問題を修正し、御社の最終確認(検収)を経て、いよいよ公開となります。公開日にはドメインの設定やサーバーの切り替えなどの技術的な作業が発生するため、制作会社と連携して慎重に進めます。
スケジュールが延びる主な原因
原稿や素材の準備が遅れる
スケジュールが延びる原因として最も多いのが、御社側の原稿や写真素材の準備の遅れです。制作会社はデザインやコーディングの専門家ですが、御社の事業内容やサービスの説明文は、御社にしか書けません。
「忙しくて原稿が書けない」「写真を撮る時間が取れない」というケースは非常に多く、これが全体のスケジュールを大きく押す原因になります。
対策としては、制作がスタートする前から原稿の準備に着手することです。完璧な文章でなくて構いません。伝えたいことの箇条書きや、既存のパンフレットの内容でも、制作会社がリライト(書き直し)してくれる場合があります。
確認・フィードバックに時間がかかる
デザイン案やテストページの確認依頼に対する返答が遅れると、その分だけスケジュールが後ろにずれます。特に、社内の複数の方が確認する場合、意見をまとめるのに時間がかかることがあります。
対策としては、確認の窓口担当者を一人決め、社内の意見を取りまとめてから制作会社に伝える体制を作ることです。「社長はOKだけど部長がNGで、どちらの意見を優先すべきかわからない」という状況は、進行の大きなブレーキになります。
制作途中での大幅な方向転換
デザインが進んだ段階で「やっぱり全体の方向性を変えたい」「ページ構成を大きく変更したい」という要望が出ると、それまでの作業がやり直しになり、スケジュールと費用の両方に大きな影響が出ます。
こうした事態を防ぐためには、最初のヒアリング・企画段階で十分に時間をかけ、方向性を固めることが重要です。ワイヤーフレームの段階で「本当にこの構成でいいか」をしっかり確認しましょう。
スケジュール通りにプロジェクトを進める最大のコツは、「初期段階での入念な計画」と「確認作業の迅速化」です。制作会社と二人三脚で、お互いのスケジュールを尊重しながら進めましょう。
スケジュールを守るための実践的なコツ
公開日から逆算してスケジュールを立てる
「来年の4月に公開したい」「創業50周年の記念日に合わせたい」など、公開希望日が決まっている場合は、その日から逆算してスケジュールを組みましょう。
中規模サイト(2〜4ヶ月)であれば、公開日の4〜5ヶ月前には制作会社に相談を始めるのが理想です。制作会社にも他のプロジェクトの予定がありますので、早めに相談するほど希望のスケジュールに対応してもらいやすくなります。
繁忙期を避ける
WEB制作業界にも繁忙期があります。一般的に、年度末(1〜3月)と年末(10〜12月)は「年度内に公開したい」「年内にリニューアルしたい」という依頼が集中するため、制作会社のリソースが逼迫しやすい時期です。
可能であれば、4〜6月や7〜9月など比較的落ち着いた時期に制作をスタートすると、制作会社も余裕を持って対応でき、品質面でもメリットがあります。
マイルストーン(中間目標)を設定する
制作の全期間を一つの大きな塊として捉えるのではなく、各工程の完了日をマイルストーン(中間目標)として設定すると、進捗管理がしやすくなります。
「○月○日:サイトマップ確定」「○月○日:トップページデザイン確認」「○月○日:全ページデザイン確定」「○月○日:テスト環境確認開始」「○月○日:公開」のように、具体的な日付を設定し、制作会社と共有しましょう。
各マイルストーンで遅れが出ていないかを確認し、遅れている場合は早めにリカバリーの相談をすることで、公開日の大幅な遅延を防ぐことができます。
制作会社への相談を始めるベストタイミング
「思い立ったとき」が最良のタイミング
「まだ具体的に何も決まっていないから、もう少し社内で検討してから相談しよう」と考える方は多いですが、実は具体的な計画が固まる前に相談する方が良い結果につながることが多いです。
制作会社は、サイト設計やコンテンツ企画のプロフェッショナルです。「こういうことを考えているのですが、どう思いますか?」と早い段階で相談すれば、的確なアドバイスを得られ、無駄な回り道を避けられます。
見積もりから契約までの期間も考慮する
制作を依頼する場合、見積もりの依頼から契約締結までに2〜4週間程度かかることが一般的です。複数の制作会社から見積もりを取る場合は、さらに時間がかかります。
この期間を制作スケジュールに含めて逆算すると、「公開4ヶ月前に制作スタート」であれば、その1ヶ月前(公開5ヶ月前)には見積もり依頼を出しておく必要があります。
季節イベントに合わせた計画
新年度のスタートに合わせて4月に公開したい場合は、遅くとも11〜12月には制作会社に相談を始めましょう。年末年始の休業期間も考慮すると、さらに余裕が必要です。
採用サイトであれば、新卒採用の広報解禁に合わせて公開するケースが多く、その場合は解禁の半年前からの準備が望ましいでしょう。
まとめ|余裕のあるスケジュールが品質を高める
WEBサイトの制作は、思っている以上に多くの工程と時間が必要です。余裕のあるスケジュールを立てることが、高品質なサイトを実現する最大のポイントです。
- 小規模サイト(5〜10ページ)は1〜2ヶ月、中規模(10〜30ページ)は2〜4ヶ月、大規模(30ページ以上)は4〜6ヶ月以上が目安
- 制作工程は「ヒアリング→設計→デザイン→構築→テスト→公開」の流れで進む
- スケジュールが延びる最大の原因は「原稿・素材の準備遅れ」と「確認の遅れ」
- 公開希望日から逆算し、制作期間+見積もり期間を含めて早めに相談する
- マイルストーンを設定して進捗を管理し、遅れを早期に発見・対応する
- 確認の窓口担当者を一人決め、社内の意見をまとめてから制作会社に伝える
ホームページの制作やリニューアルをお考えでしたら、具体的な計画が固まっていない段階でもお気軽にご相談ください。スケジュールの組み方から一緒に考えさせていただきます。