「アクセス解析を見ると直帰率が80%なんですが、これは高いですか?」「直帰率と離脱率って何が違うんですか?」――ホームページの改善を考え始めたとき、多くの方がこの2つの指標の壁にぶつかります。「直帰率」と「離脱率」は似ているようで、実はまったく異なる指標です。この違いを正しく理解することが、ホームページ改善の第一歩になります。この記事では、直帰率と離脱率の定義と違いから、GA4(Googleアナリティクス4)での確認方法、業界別の目安、そして高い直帰率の原因と具体的な改善方法まで、WEBに詳しくない方にもわかりやすく解説します。
直帰率とは何か?
まずは、「直帰率」の意味を正確に理解しましょう。言葉のイメージからなんとなく理解しているつもりでも、正確な定義を知ると認識が変わることがあります。
直帰率の定義をわかりやすく
直帰率とは、ホームページに訪れた人のうち、最初に開いた1ページだけを見てそのまま離脱(サイトを去る)した人の割合です。「直帰」とは、文字どおり「直接帰ってしまう」ことを意味します。
たとえるなら、お店に入ったお客さまが、入口付近をチラッと見ただけで「やっぱりいいや」とそのまま出ていってしまう状態です。店内を見て回ることなく、商品を手に取ることもなく、帰ってしまう。これが「直帰」です。
計算式はシンプルです。
直帰率 = 1ページだけ見て離脱した訪問数 ÷ そのページから始まった訪問数(セッション数) × 100
たとえば、御社のトップページに100人が訪問し、そのうち60人がトップページだけを見て他のページに進まずに離脱した場合、トップページの直帰率は60%ということになります。
用語メモ
セッションとは、訪問者がホームページを訪れてから離れるまでの一連の行動のことです。たとえば、あるユーザーが御社のサイトを訪問し、3ページ見てからサイトを離れた場合、これが「1セッション」です。同じユーザーでも、時間を空けて再訪問すれば別のセッションとしてカウントされます。
直帰率が高いことは必ずしも「悪い」とは限らない
「直帰率が高い=ダメなサイト」と思いがちですが、実はそう単純ではありません。直帰率が高くても問題ないケースもあるのです。
たとえば、ブログ記事やコラムのページは直帰率が高くなる傾向があります。訪問者が検索エンジンから記事にたどり着き、知りたい情報を得て満足し、そのまま離脱するのは自然な行動です。記事の内容が充実していて、訪問者の疑問に答えられていれば、直帰率が高くても問題ありません。
一方、お問い合わせを増やすことが目的のサービス紹介ページで直帰率が高い場合は、改善が必要です。サービスに興味を持って訪問したのに、他のページ(お問い合わせページや事例ページ)に進まずに帰ってしまうのは、何かしらの問題があると考えられます。
GA4における直帰率の新しい定義
2023年7月に旧バージョンのGoogleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)からGA4(Googleアナリティクス4)へ移行が行われました。GA4では直帰率の定義が変わっています。
旧バージョンでは「1ページだけ見て離脱した割合」でしたが、GA4では「エンゲージメントのなかったセッションの割合」と定義されています。エンゲージメントとは、「10秒以上の滞在」「コンバージョン(目標達成)の発生」「2ページ以上の閲覧」のいずれかを満たすことを指します。
つまり、GA4では1ページだけの閲覧でも、10秒以上じっくり読んでいれば「直帰」にはカウントされません。より実態に近い指標になったといえるでしょう。
用語メモ
GA4(Googleアナリティクス4)とは、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールの最新版です。ホームページに訪れた人の数や行動を詳しく分析できます。エンゲージメントとは、訪問者がサイトに対して能動的に関わっている状態のことを指します。
離脱率とは何か?直帰率との違い
次に、「離脱率」について理解し、直帰率との違いを明確にしましょう。
離脱率の定義をわかりやすく
離脱率とは、あるページを見た人のうち、そのページを最後にサイトから離脱した人の割合です。直帰率が「最初のページで帰った割合」であるのに対し、離脱率は「そのページが最後のページだった割合」を表しています。
お店のたとえで言えば、離脱率は「そのコーナーを見た後にお店を出て行った人の割合」です。入口で帰ったのか(直帰)、店内を見て回った後にそのコーナーで帰ったのか(離脱)の違いです。
離脱率 = そのページで離脱した訪問数 ÷ そのページの総閲覧数 × 100
すべてのセッションには必ず「最後のページ」がありますから、離脱率が0%になることはありません。重要なのは、「どのページで離脱が多いか」「意図しないページで離脱が起きていないか」を確認することです。
直帰率と離脱率の違いを図で理解する
2つの違いを具体的な例で見てみましょう。
パターンA:訪問者がトップページに訪問 → トップページだけ見て離脱
→ これは「直帰」であり、トップページの直帰率にカウントされます。同時に、トップページの離脱率にもカウントされます。
パターンB:訪問者がトップページに訪問 → サービスページに移動 → サービスページで離脱
→ これは「直帰」ではありません(2ページ閲覧しているため)。サービスページの離脱率にカウントされます。
パターンC:訪問者がトップページに訪問 → サービスページ → 事例ページ → お問い合わせ完了
→ 直帰でも途中離脱でもなく、理想的な動線です。お問い合わせ完了ページの離脱率にカウントされますが、これは正常です。
このように、直帰率は「入口ページの評価」に使い、離脱率は「各ページの評価」に使うのが正しい活用方法です。
それぞれの指標をどう活用するか
直帰率と離脱率は、改善すべきページの優先順位を決めるのに役立ちます。
直帰率が高いページ:そのページに訪問した人が、他のページに進まずに帰ってしまっている状態です。「ページの内容が訪問者の期待と合っていない」「次のページへの導線がわかりにくい」「読み込みが遅い」などの原因が考えられます。
離脱率が高いページ:そのページで訪問者の旅が終わってしまっている状態です。「お問い合わせページ」や「よくある質問」のように、訪問者が目的を達成した後のページであれば問題ありません。しかし、「サービス紹介ページ」や「料金ページ」で離脱率が高い場合は、そのページの内容に問題がある可能性があります。
直帰率と離脱率は「サイトが悪い」と判断するための数字ではなく、「どこを改善すれば効果が高いか」を見つけるための手がかりです。
業界別の直帰率の目安
「うちの直帰率は高いのか低いのか」を判断するための参考として、業界別の一般的な直帰率の目安をお伝えします。
サイトの種類別の直帰率の傾向
直帰率はサイトの種類によって大きく異なります。あくまで一般的な目安ですが、以下のような傾向があります。
ECサイト(ネットショップ):20〜45%程度。商品を比較検討するために複数ページを見る傾向があるため、直帰率は比較的低めです。
BtoBの企業サイト:25〜55%程度。サービス内容を理解するために複数ページを閲覧する傾向がありますが、検索から特定のページに直接訪問するケースも多いため、幅があります。
ランディングページ(1枚もの):60〜90%程度。1ページですべての情報を伝える構成のため、直帰率は高くなります。ただし、コンバージョン率が高ければ問題ありません。
ブログ・コラムサイト:65〜90%程度。検索で特定の記事にたどり着き、情報を得たら離脱するパターンが多いため、直帰率は高くなる傾向にあります。
自社サイトの直帰率を評価するポイント
上記の目安はあくまで参考値です。自社の直帰率を評価する際には、「他社と比較する」よりも「自社の過去と比較する」方が有意義です。先月と比べて直帰率が上がったか下がったか、改善施策を実施した後に変化があったか、といった時系列での比較が、具体的な改善につながります。
また、サイト全体の直帰率だけを見るのではなく、ページごとの直帰率を確認しましょう。トップページ、サービスページ、ブログ記事など、ページの役割によって「適正な直帰率」は異なります。
用語メモ
ランディングページとは、広告やSNSなどから訪問者が最初にたどり着くページのことです。広義では検索からの入口ページ全般を指しますが、狭義では1ページ完結型の訴求ページ(LP)を指します。コンバージョン率とは、訪問者のうちお問い合わせや購入などの目標を達成した人の割合です。
GA4で直帰率・離脱率を確認する方法
実際にGA4で直帰率と離脱率を確認する基本的な手順をご紹介します。
直帰率の確認方法
GA4で直帰率を確認するには、以下の手順で操作します。
まず、GA4の管理画面にログインし、左メニューから「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を選択します。このレポートには、デフォルトでは直帰率が表示されていないことがあります。
直帰率を追加表示するには、レポートの右上にある鉛筆アイコン(カスタマイズ)をクリックし、「指標」の項目から「直帰率」を追加します。これで、ページごとの直帰率が一覧で確認できるようになります。
操作が難しく感じる場合は、WEB制作会社に依頼して「毎月のレポート」を作成してもらう方法もあります。数字だけを見せてもらうのではなく、「この数字はどういう意味で、何をすれば改善できるか」まで説明してもらえる制作会社を選ぶのがおすすめです。
離脱率の確認について
GA4では、旧バージョンのように「離脱率」がそのまま表示される標準レポートはありません。離脱率を確認するには、「探索」機能を使ってカスタムレポートを作成する必要があります。
「探索」→「空白」を選択し、「指標」に「離脱数」と「表示回数」を追加、「ディメンション」に「ページパスとスクリーンクラス」を追加すると、ページごとの離脱数を確認できます。離脱率は「離脱数÷表示回数×100」で計算できます。
これらの操作は少し複雑ですので、まずは直帰率の確認から始めるのがよいでしょう。
データを見るときの注意点
アクセス解析のデータを見る際に、いくつかの注意点があります。
十分なデータ量で判断する:月間のアクセス数が極端に少ないページ(たとえば月10回未満)の直帰率は、統計的に信頼性が低いです。最低でも月100回以上のアクセスがあるページのデータを参考にしましょう。
単一の指標だけで判断しない:直帰率だけを見て「良い・悪い」を判断するのは危険です。直帰率と合わせて、セッション時間(滞在時間)やコンバージョン率なども確認し、総合的に評価しましょう。
直帰率が高い原因と具体的な改善方法
直帰率が高い場合、その原因を特定して適切な改善を行うことが大切です。代表的な原因と改善方法をご紹介します。
原因1:ページの内容が訪問者の期待と合っていない
検索エンジンで「群馬 リフォーム 費用」と検索した人が御社のサイトに訪問したのに、リフォームの費用に関する情報がどこにも見当たらない。こうした「期待と現実のギャップ」は、直帰の最大の原因です。
改善方法:アクセス解析で、訪問者がどんなキーワードで検索して来ているかを確認し、そのキーワードに合った情報がページにきちんと含まれているかをチェックしましょう。不足している情報があれば追加し、ページのタイトルや見出しにもキーワードを反映させます。
原因2:次のページへの導線がわかりにくい
ページの内容自体は良くても、「次にどこを見ればいいか」がわからなければ、訪問者は離脱してしまいます。関連ページへのリンクやCTAボタンが目立たない、ページの下部にしか設置されていないなどが典型的な問題です。
改善方法:各ページの適切な位置に「関連サービスを見る」「事例を見る」「お問い合わせする」などのCTAボタンやリンクを設置しましょう。ページの途中と最下部の両方に配置するのが効果的です。
原因3:ページの表示速度が遅い
ページの読み込みに時間がかかると、表示される前に訪問者が離脱してしまいます。Googleの調査では、ページの読み込みが3秒を超えると離脱率が急増するとされています。
改善方法:Googleが提供する「PageSpeed Insights」というツールで、御社のサイトの表示速度を無料でチェックできます。画像ファイルの圧縮、不要なプログラムの削除、サーバーの見直しなど、具体的な改善策はWEB制作会社に相談しましょう。
直帰率の改善は「一度に全ページ」ではなく、「アクセス数が多く直帰率も高いページ」から優先的に取り組むのが効率的です。
まとめ:直帰率と離脱率を味方につけてサイトを改善しよう
ここまでの内容を振り返りましょう。
- 直帰率:最初の1ページだけ見て離脱した割合。GA4では「エンゲージメントのなかったセッション」の割合として定義される
- 離脱率:あるページを最後にサイトから離脱した割合。すべてのセッションに「最後のページ」があるため、離脱率が0%になることはない
- 違いのポイント:直帰率は「入口ページの評価」、離脱率は「各ページの評価」に使う
- 業界目安:サイトの種類によって適正値は異なる。自社の過去データとの比較が重要
- 改善の優先順位:アクセス数が多く直帰率も高いページから着手する
- 主な改善策:ページ内容と訪問者の期待の一致、導線の改善、表示速度の向上
直帰率や離脱率は、それ自体が「良い・悪い」を表す数字ではなく、サイト改善のヒントを教えてくれる「道しるべ」です。数字に振り回されるのではなく、「なぜこの数字になっているのか」「どうすれば改善できるか」を考えることが大切です。
私たちmotiveは、群馬県を中心とした中小企業のお客さまのホームページ運用をサポートしています。「アクセス解析の数字を見てもよくわからない」「サイトの改善をしたいが何から手をつければいいかわからない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。データの読み方から具体的な改善施策まで、丁寧にご説明いたします。